こんにちは!薬剤師のりくたろーです。
風邪を引いた時、病院で「カロナール」というくすりを処方されたことはないでしょうか?

そういえば、この前近くのクリニックにかかったときに熱さましでカロナールをもらったことがあるわ!

でも病院で処方される薬でしょ??

カロナールと同じ成分のくすりは市販薬にもあるんだよ!
カロナールの成分は「アセトアミノフェン」で、同じ成分のくすりは市販薬で買うことができます。
カロナールと同じアセトアミノフェン単一成分の市販薬が「タイレノールA」です。
この記事ではカロナールの成分であるアセトアミノフェンの特徴とカロナールと市販薬のタイレノールの違いについて解説していきます。
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カロナールの成分:アセトアミノフェンの特徴


なぜカロナールが病院でよく処方されるの?

カロナールの成分であるアセトアミノフェンは子供や高齢者にも比較的安全に使用できる解熱鎮痛剤なんだ。
・子供や高齢者にも比較的安全性に使用できる解熱鎮痛剤
・過量投与で肝障害のリスクとなるので注意が必要
アセトアミノフェンは小児や高齢者にも比較的安全に使用できる解熱鎮痛剤で、主に脳(中枢神経)に作用し,痛みや熱をおさえます。
ロキソプロフェンナトリウムやイブプロフェンなどと違い、アセトアミノフェンはシクロオキシゲナーゼを阻害する作用はほとんどないと言われています。
解熱鎮痛剤の多くはシクロオキシゲナーゼを阻害することで、痛みの原因物質であるプロスタグランジンが作られるのを抑え解熱鎮痛効果を発揮します。

しかしシクロオキシゲナーゼを阻害する作用が、胃腸障害や腎障害、ぜんそくの副作用につながる場合があります。
アセトアミノフェンは、シクロオキシゲナーゼを阻害する作用がほとんどないため、他の解熱鎮痛剤に比べて副作用が比較的少なく安全に使用できるケースが多いです。
実際に、病院で小児に処方されるアンヒバ坐剤、アルピニー坐剤、カロナール細粒の有効成分はすべてアセトアミノフェンです。
市販で買うことのできる子供用の熱さまし成分もアセトアミノフェンしかありません。

痛みや炎症の原因物質であるプロスタグランジンを抑えないなら効果はどうなの?

ロキソニンなどと比べると安全性は高いけど、鎮痛・抗炎症効果はマイルドだよ。

アセトアミノフェンは安全性の高い薬じゃないの?

使用量を守れば安全性の高い解熱鎮痛剤だよ!
過量投与になると肝障害のリスクがでてくるんだ!
アセトアミノフェンは過量投与で肝障害のリスクとなります。
アセトアミノフェンは肝臓で分解されるため、量が増えるにしたがい肝臓への負担も増え肝機能障害につながります。
アセトアミノフェンの1日量が1500㎎をこえる量を長期に服用する場合は、定期的に肝機能をチェックすることが求められています。
市販薬の場合、アセトアミノフェンの一日量は最大で900㎎となっています。
タイレノールAを1日3回までの服用なら問題ありませんが、他の薬と飲む場合は注意が必要です。
アセトアミノフェンは総合感冒薬にも含まれていることも多いので、総合感冒薬と一緒に服用しないようにしましょう。
「カロナール」と「タイレノールA」の違い

病院で処方される「カロナール」と市販薬の「タイレノール」って何が違うの?

主成分は同じだけどいくつか違う点もあるよ。
・成分量のちがい
・販売会社のちがい
・添加物のちがい

カロナールとタイレノールAは有効成分が同じじゃないの?

有効成分であるアセトアミノフェンは同じだよ。
でも、カロナールにはいくつか規格があるんだ。
カロナールとタイレノールAの主成分であるアセトアミノフェンは同じですが、成分量が異なるものもあります。
カロナールは、カロナール錠200㎎、カロナール錠300㎎、カロナール500㎎の3種類あります。
これは使用する方の体重などにあわせて用量を調節できるようにするためです。
カロナールは大人の急性上気道炎(いわゆる風邪)の発熱・頭痛時に使用する場合、1回300㎎~500㎎で使用されることが多いです。
市販薬のタイレノールAと同じ成分量なのはカロナール錠300㎎です。
カロナールは「あゆみ製薬」、タイレノールAは「ジョンソン・エンド・ジョンソン」が販売元です。

「あゆみ製薬」は聞いたこともないわ。

あゆみ製薬は整形外科領域の医薬品に特化した会社で、医療業界では有名だよ。

ジョンソン&ジョンソンは知っているよ!

ジョンソン&ジョンソンは一般向けの製品も多いので名前は聞いたことあるね!
有名なのが「バンドエイド」!

ちょっとしたキズに使うことも多いバンドエイドはジョンソンエンドジョンソンの登録商標だよ。
カロナールとタイレノールAは主成分であるアセトアミノフェンは同じですが、医薬品添加物が少し異なります。
病院で処方されるカロナール錠300㎎とタイレノールAの成分を比較してみました。
商品名 | カロナール錠300㎎ | タイレノールA |
販売会社 | あゆみ製薬 | ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社 |
主成分 | アセトアミノフェン300㎎ | アセトアミノフェン300㎎ |
添加物 | ステアリン酸 アルファー化デンプン ポビドン クロスポビドン ステアリン酸マグネシウム | セルロース アルファー化デンプン ヒドロキシプロピルセルロース カルメロースカルシウム(CMC-Ca) ステアリン酸マグネシウム ヒプロメロース D-マンニトール 酸化チタン タルク カルナウバロウ |
医薬品添加物とは薬の成分を錠剤にするときなどに添加されるものです。
カロナールの場合、アセトアミノフェンは300㎎=0.3gなのでそのままだと錠剤が小さすぎるため添加物でかさを増す必要があります。
セルロースやアルファ―化デンプンを加え、かさを増して錠剤にしやすくします。
製剤化を容易にするほかにも、品質の安定化を目的に添加物が使用されています。
これらの物質はあくまでも「添加物」ですので、薬効成分の本来の機能を妨げることはないようになっています。
「添加剤は、製剤に含まれる有効成分以外の物質で、有効成分及び製剤の有用性を高め る、製剤化を容易にする、品質の安定化を図る、または使用性を向上させるなどの目的で 用いられる。製剤には、必要に応じて、適切な添加剤を加えることができる。ただし、用 いる添加剤はその製剤の投与量において薬理作用を示さず、無害でなければならない。ま た、添加物は有効成分の治療効果を妨げるものであってはならない。」
引用: 16 改正日本薬局方の製剤総則

医薬品添加物が違っても効き目は同じなの?

医薬品添加物が違っても効果は同じだと考えて問題ないよ。
まとめ
・カロナールの有効成分はアセトアミノフェン
・アセトアミノフェンは市販薬の解熱鎮痛剤の中でも比較的安全性が高い
・過量投与にならないよう総合感冒薬と一緒に飲まないようにち注意する
・カロナール錠300㎎と同じ成分量の市販薬が「タイレノールA」

発熱や頭痛はいつ起こるか分からないから常備薬としてもってると助かるね!

タイレノールは「第二類医薬品」なのでamazonなどのネット通販で買うこともできるよ!




